「Moto X4(XT1900-2)」ファーストインプレッション

10月27日に日本での販売が開始されたばかりの「Moto X4(XT1900-2)」を購入したので、簡単にではありますがご紹介します。

開封


外箱は他の2017年モデルと似たデザイン。Zシリーズは赤、Gシリーズは緑などシリーズごとに色が変えられていて、Moto X4は青系のパッケージです。


外箱を開けると、まずは本体が登場。簡単な説明が書かれたフィルムが貼られているのはいつも通りです。
写真を撮り忘れてしまいましたが、Moto X4は背面がガラスなのでそちらにも透明のフィルムが貼られていました。


パッケージ内容はご覧の通りです。本体、Type-Cケーブル、ACアダプタ、イヤホン、SIMピンと書類が入っていました。
最近のモデルでは他機種もそうなのですが、Motorolaロゴ入りのSIMピンではなくなってしまったのが少し寂しいところです。

外観


前面。3Dガラスという触れ込みなのですが、例えば「HTC U11」のような側面まで大きくガラスが回り込むような構造というわけではないので、言われなければ2.5Dガラスとの違いは感じにくいかもしれません。


画面上に「moto」ロゴが入っているのは2016年以降のモデルではお馴染み。すっかり見慣れたデザインですが、Xでは初ですね。


画面下には指紋センサー。G5シリーズやZ2シリーズのような丸い形のものです。


リアパネルはガラス製です。平面ではなく左右が少しラウンドしていて、側面にかけて絞り込まれた形状となっています。
ガラス素材で黒となると指紋などの汚れが気になるところで、実際に手の跡などは付かないとは言えないまでも、コーティングが優秀で軽く一拭きすれば汚れが落ちるのでそれなりに綺麗な状態を保って使えるでしょう。


下部にはUSB Type-C端子とイヤホンジャック。
各種印字はこの部分にまとめて入っており、「総務省指定」の文字もあります。


SIMスロットは上部左側のいつもの位置なのですが、従来のSIMカード2枚とmicroSDが同時にセットできるトレイではありません。
デュアルSIM+microSDという運用を求めないとしても、このトレイは別の点でかなり使いにくいと感じました。

まず、トレイ自体が樹脂製で若干しなりがあることに加えて防水パッキンの兼ね合いか本体の外側から実際のSIMスロットの入口までが少し奥まっていて段差があるので、トレイの先端で内部の入口を探っているとSIMがズレてしまいやすいです。もしズレたことに気づかないまま押し込んでしまえばSIMスロットの破損などに繋がるでしょうし、神経を使います。
そしてもう1点、SIM 2と排他利用のmicroSDを置く部分ですが、片側の引っかかりが浅すぎます。軽い振動で落ちてしまうので、先に挙げた段差の件と合わせてセットするのが難しい作りになってしまっています。

サイズ比較

3年ぶりの5.2インチディスプレイ搭載の「Moto X」であるという点だけを見ればMoto X 2ndのファンとしては無視できない機種ですが、旧機種と比べたサイズはどうでしょうか。


まずは前面。縦は若干長くなっていますが、指紋センサー分のスペースもあるので仕方ない面もあるでしょう。


幅は大きくは変わりません。ただ比較対象のX 2ndも5.2インチの機種としては幅が狭いほうではないので、X4には2017年の機種かつ上位機種に近い位置付けということを考えると、過去の機種と同等レベルではなくもう一歩進んで欲しかったところではあります。


数値的には高さ以外はそう大きくなっているわけでもないのですが、形状の違いから2機種を持った印象はかなり異なると思います。

X4の形状も持ちにくいというわけではなく、条件によっては適度にグリップの効くガラス素材ですし、両面ともにラウンドガラスなので手に触れる角が少なくむしろ馴染みやすい部類です。
ただ操作性の高い筐体は過去のMoto X、特に最初の2年間はこだわっていた部分でもあり、これでは”普通”の域は出ないなというのが個人的な感想です。

所感

Moto X4を購入して2日ほど使ってみて、感じたことをまとめておきたいと思います。



まず現状の日本版Moto X4を語る上で外すわけには行かないのが、セットアップに重大な問題を抱えている点です。

プリインストールされている「Outlook」アプリが初回起動と同時にクラッシュ。苦笑しつつも気にせずセットアップを進めていくと、あるところまで進むとOutlookの画面が一瞬出て再度クラッシュし少し前の設定画面に戻され、また進めていくと同じことが…というループになってしまっていて、初期設定を完了できないという爆弾を抱えています。

私の個体だけかと思いきや、この件について他の日本版Moto X4をお持ちの方とTwitterでお話しさせていただいたところやはり同様のことが起きているようでした。

私はリカバリーを開いて初期化、他の方はセーフモードで起動して初期化という方法でこれを回避できたのですが、これではある程度Motorolaスマートフォンに詳しい人かAndroidの知識がある人しかそもそも使い始めることすらできませんよね。かなり重大な問題だと思いますし、これに気付かず発売してしまっている体制には大いに疑問を感じます。


それを除けば「思っていたよりは良い」と感じる部分が多いです。

Snapdragon 630搭載機はまだ使ったことがなかったのですが、良作だったSnapdragon 625/626の後釜だけあって処理性能はそれなりで省電力なので電池持ちも良いです。動作で不満があるとすれば、チューニングの問題だと思いますがスクロールの動き出しに若干カクつきがあるくらいでしょうか。
仮にもXを名乗るモデルでありながら、ハイミドルのSnapdragon 660ですらなく平凡なミドルレンジ向けの630か…と購入前はがっかりしていたのですが、普通に使っていけるスペックではあるでしょう。ミドルレンジとは言え、数年前のハイエンドSoCを超える程度の性能はある最新SoCです。

日本を含めたAPAC地域向けはRAM 4GB/ROM 64GBの上位構成なのも嬉しいですね。米版や欧州版と比べると一見高めの価格ですが、オーストラリアなど同じretapacのモデルを販売している地域の価格と比べると実は日本版の価格が盛られているということはほとんどありません。
もっとも、いわゆる”おま国価格”でないと分かったところで、Moto X4の価格自体がそもそも割高感があるというのは否めないのですが…。



Windows PCのロックをスマートフォンの指紋センサーで解除できる新機能「Moto Key」は、「Windows Hello」対応の指紋センサーや赤外線カメラを搭載したPCが続々登場している中で提案するにはあまりに時代錯誤な機能だと思います。
親会社であるLenovoのPC部門も積極的に取り組んでいるのになぜ今これを…と思ってしまうのですが、それらのないPCを使う場合には便利かもしれません。

カメラアプリに新しく追加された「物体認識」や「ランドマーク認識」も、時間がかかりすぎ、さほど情報が得られない、他メーカーだって何年も前にやっていた…など不満はありますし現状ではあまり活用しようとは思えません。

ただ、これらの機能や日本版では未対応のAlexaも含めた、新しい機能や使い方の提案を他機種に先駆けてこのMoto X4でしてきてくれたということ自体は、Moto Xというシリーズにかつて与えられていた先進性をまだ完全に忘れ去ってしまったわけではないのだと安堵しました。



カメラは良い出来だと思います。デュアルカメラ搭載機としては他に「Moto Z2 Force」や「Moto G5S Plus」もありますが、X4のみ若干役割が異なっているのが特徴です。

Z2 Force/G5S Plusのカメラはカラーセンサー+モノクロセンサーの構成で、画質向上のために使われたり被写界深度を記録することで擬似的なボケや特殊な編集機能を利用できるものですが、X4は広角+標準の2つのレンズを切り替えて撮影できる構成です。
かつ深度情報を記録する「深度の有効化」モードも他の2機種と同様に搭載されているので、かなり遊べる仕様です。画質自体も悪くなくデュアルピクセルAFにも対応、こればかりは過去のMoto Xシリーズでは勝てないポイントですね。

まとめ


セットアップの問題が解決するまでは扱いにある程度自信のある方にしかおすすめできませんが、購入してみて「こんなMoto Gに毛が生えた程度の物がXとは」という思いはある程度払拭されました。

筐体はかつてのXとは趣が異なるものの質感は悪くないですし、形状も店頭展示の防犯装置が付いた状態では確認しにくいでしょうがそう扱いにくい物ではありません。
基本性能だけを見れば確かにGとほとんど変わらないじゃないかという内容ではあるのですが、様々な新機能やカメラ周りの機能などフラッグシップたるZシリーズより優先されている部分もあり、ただGとZの間を埋めるだけの機種にしまいとする工夫は見られます。

Moto X4がかつてのMoto Xより優れているとは私の口からはとても言えませんが、現代のスマートフォンとしては欠かせない指紋センサーにType-C端子、Lenovo傘下になってから大幅に改善されたカメラ、日本の通信環境に見合った対応バンド、そしてごく最近のモデルで使えるようになったau VoLTEにも対応しています。時代が進んだなりの良さはあるのではないでしょうか。

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